7月の試聴会と次回予定

7月13日に定期試聴会を開催しました。今回はまずセンターで当店の旧ドイツ製、英国製、米国勢スピーカーとアンプにはASC-902B(KT-90シングルアンプ)、ASC-300BTC(300Bトランス結合アンプ)を組合せて聴いていただきました。ソースには今回はお客様持参のもので五木ひろしBEST SELECTIONから人間味あふれる歌謡曲、ヨーヨーマ Plays Japanから麗しい音色のチェロで日本の調べ、JIMSAKUでは日本のヒュージョンらしいシンプルでシャキッとした演奏、その他、小林靖浩のアコーディオン、木村好夫のレキントギターなどを聴きました。いつも店主の独断の曲ですが、今回は日本色が全面に出て皆さんも聴き慣れたメロディ、歌声、演奏で種々の音色の違いを楽しんでいただけました。センターのシステムは中規模ですが、音楽性は豊かで真空管アンプの特徴の中域の厚みや温かさが実感して頂けたと思います。さらに写真の白木の中型スピーカーはお客様が自作されて持ち込まれたものですが、後面が2面開放で6角柱形状のしっかしりた構造で、中域の厚みと張りがあり充実感のある音でした。最初はユニットは秘密とのことでしたが、ネットを開けて種明かしされるとわずか7cmのフォスターのシングルコーンでびっくり。それではと当店で似た音色の傾向のタンノイのEATONと聴き比べました。こちらは同軸2Wayで物量も違いますので弦の艶や低域のリアルさなどはさすがタンノイに貫録がありますが、それに肉薄した良い勝負であったと思います(冷や汗)。

次にメイン試聴室で聴きました。今回はシステム的には前回と同じで以下の構成です。再生~プリアンプまでは電源装置(オリジナルART-Power S)~CDP(MingDa 500CD)~DAC(Concert Master DAC-K9)~プリアンプ(オリジナルART-PRE S)。以降は電源装置(オリジナルART-Power)×2~チャンデバ(Belinger×2)~パワーアンプ(ASC-845Jfor Woofer、オリジナル6550for Horn)という構成です。WooferはALTEC515C、BOXがJBL4560、Horn Driver(375)。こちらは音色の他、定位、余韻、奥行き感が加わりますので音楽もより深い所まで楽しめます。

ソースにはお客様持参のSteve Kuhn Trioのジャズピアノトリオ、モノラルソースでフルベングラー指揮のベートーベンの田園、久石譲のMelody Blvd. 女性ボーカルのオムニバス、辻井伸行のピアノでチャイコフスキーピアノコンチェルト等を聴きました。いずれも奥行きや録音の環境、演奏者の熱気、ボーカルの繊細な息遣いなどがはっきりと再生されるため血の通った音楽をダイナミックに楽しめる違いがあります。田園はモノラルソースで古いアナログ録音で帯域やダイナミックレンジは狭いはずですが臨場感や演奏の気迫が感じられました。女性ボーカルもそれぞれのシンガーの特徴が良くでてきます。ピアノコンチェルトではピアノとオーケストラとが混濁せずバランス良く正に「協奏曲」として楽しめます。再生能力が向上しますとソースも軽音楽的なものより重厚なもの、丁寧に録音されたものに差が出てきます。それでもお好きな音楽ソースを同じ時間かけて楽しむなら、やはりより美味しく味わって聴くのが良いですよね。上記のシステムはお客様のコメントも活かして種々工夫して現在に至っていますが、音楽再生の趣味を皆様と楽しみながらお手伝いできると良いなと思います。最後にはディズニー映画のポカホンタスのサントラ版から「愛のテーマ(If I never knew you)」を映画のエンドロールの様に聴いて頂いてお開きとなりました。

次回はお盆休みにかかりますが、8/10(土)13:00~15:30ですので皆様のお越しをお待ちしております。