令和2年1月の試聴会の様子と次回予定

令和2年初の試聴会を1/11に開催いたしました。センター試聴コーナーではヤーランドのTJ845/211-S2(211付)とミンダのASC-845J(845)の豪華競演(共演¿or協演)としました。またプリアンプには写真の奥の緑色のオリジナル(WE141プリアンプのレプリカ機)を使用しました。SPにはアルテック銀箱を主体に聴きました。ソースにはカブリエラ=アンダースのWantingというアルバムからイパネマの娘などの爽やかで小粋な歌声、ロックではクリス=レアのThe Blue Cafeというアルバムからタイトル曲など渋いボーカルと厚みのあるエレキギター、、ケニー=バロンのピアノトリオ、ウィントン=マリサリスの正統派ジャズトランペットを聴きました。まずASC-845Jは当店の定番商品でメイン試聴室ではウーファードライブにも使用している優秀機。今回は前述のWE141レプリカのプリを介していますので一層音色が濃く、音の階調も豊に再生され、どの音楽も芳醇で力強く、かつ繊細な響きです。次にプリはそのままでヤーランドのTJ845/211-S2(211付)で聴きますと、音の艶、コクといった要素が増してさらに芳醇な音色に聴こえました。これは845と211のキャラクターの違いもありますが、後者は左右独立電源など構成、物量的に上回っていますのでその分、濃厚な音色といった違いがあります。ただし前者のミンダも諧調の自然さやストレートで均整の整ったフレッシュな点では勝ると感じられたというお客様もいらっしゃり、やはり豪華競演ならではの結果と言えるでしょう。ワインで言えばビンテージとボージョレヌーボー?どちらかというとヤーランドはよりクラシック向き、ミンダはオールマイティなジャンルに向いているようです。このあとリクエストがあり上述のオリジナルプリ(WE141レプリカで真空管は本来は347ですが6J7を使用、OPTにはWE、電源・チョークはUTC等で本物に肉薄しています)の効果もありますので一度外しても聴きました。実はこのプリを介すと格段に音楽の品位と言いますか、文化の香りとも言うべき味が出てきます。例えばクリス=レアは渋いボーカルが有名ですがこんなにギターが上手だったのか、各弦のバランスやアップ、ダウンストロークや和音が良く聞き取れ小気味よく決まります。外しますと結果はやはり色彩感や解像度が一段下がるイメージですが聴き比べて初めてわかるレベルとも言えます。ただしこの差が音楽の機微、ニュアンスを楽しむ上では大きいとも言えますからプリの存在はやはり有為と言わざるを得ません。このプリも当面は店頭で試聴できますのでご興味ある方は是非聴いてみてください、一台限りで価格応談とさせていただきます。

(次に続く)

次にいつものようにメイン試聴室に移動して聴いていただきました。今回のシステムの変更点はオリジナルのプリアンプ(詳細は前月号などご参照]の出力段を若干調整し低域をやや締めたこと、ホーンの上にスーパーツィータを加えたこと。前者はソースの信号レベルが大の時にやや暴れる傾向があったため改善、後者はこれまでJBL075など定番のッィータを加えてはいましたがいずれも主張が強すぎる傾向でした。レベルを絞っても音色が合わないのか不自然でしたが今回はリボンツィータが良かったのかうまくマッチして違和感なく自然で定位や音の張りが向上しています。ソースにはスティングのアルバムSacred LoveとMy Funny Valentineから多様なボーカルと凝った楽曲構成と見事な録音、山下達郎のOn the street corner 1の一人多重録音の圧巻のアカペラ、アルバムBest Vicesからシックは女性ボーカル、べーム指揮ウィーンフィルでブラームスの3番第3楽章の華麗で荘厳な響きなどを聴きました。これまでもホーンで高域は十分出ていて、リボンツィータ―は耳を近づけても聞こえないほどに絞っていますが、それでも全域の音感や定位では明らかに自然に聴こえリラックスして聴くことができるとのご感想でした。恐らく20kHz以上(原理的には80kHz位まで出るそう)で可聴範囲を超えて音としては認識できなくても定位感や自然さとして肌で感じて頭では感知しているのでしょうか?実はツィータのレベルについてはその後も抵抗値をいろいろ変えて実験しているのですが奇妙な現象も生じてましてこの話は次回に。ソースの最後にはブラジルのフュージョンのパイオニア、デオダートの2ndアルバムから数曲。天才的アレンジで魔法のような音の構成、楽器の使い方など録音の良し悪しよりアイデア溢れるメリーゴーランドのような世界に酔ってしまいそう、参加の皆様にも居場所を忘れるほどのインパクトがあったと思います。

次回は2/8(土)13~15:30。上述のツィータ―の後日談とさらなる改善結果、アンプはヤーランドのTJ300/2A3-S2(300B)などを予定しております。また皆様お誘い合わせの上、お越しください。