11月度の定例試聴会を11/9(土)に開催いたしました。今回はまずセンター試聴コーナーでは当店オリジナルのプリメインアンプ(6Y6シングル)を中心に聴いていただきました。ソースには写真のクラシックのオムニバスから数曲、お客様ご持参のマルウォルドン、エディフィギンスのジャズピアノ・女性ボーカルなどを聴きました。6Y6アンプは出力こそ小さいですが電源トランス、チョークコイル、回路構成など本格派で清廉で豊かな響きで鳴ってくれます。大音量でのスケール感はでませんが中音量でのオーケストラ、ピアノの響きや音色も豊に響きます。スピーカーは能率の良いものとの組合せが良く、一般ご家庭で能率の良いスピーカーと組み合わせるとしっくりきます(商品一覧には掲載していませんがご興味ある方はお問合せください)。当店の例ではアルテックの銀箱、テレフンケンやSABAのフルレンジとの組み合わせが良かったです。一方、能率の点で不利なJBL2Wayなどでは音質、音量とも本領発揮できません。最近の小型ボックスや縦型で2,3Wayで低能率のスピーカーとは相性悪いでしょう。この点は小出力の真空管アンプとスピーカーとの相性を考える上で留意点です。プリアンプ(MC-7R)を加えますとゲインがあがり音量、音質も向上しました。プリアンプは微細な信号を扱い、音楽の最終的なニュアンスを決定づけますので、ご自身の趣向とシステムとを吟味して納得いくものを選定されるのが賢明です。CDプレイヤーには常設のASC-1420CDを使用していますが、アナログ出力には真空管とオペアンプの2系統あり音の違いが楽しめます。後日判明しましたが今回は接続で左右を間違い本領発揮していなかったことをお詫び申し上げます。次回は完璧な状態で臨みます。(以下に続きます)
後半はメイン試聴室で聴いていただきました。今回はシステム的には変更点はありませんが、お客様のアドバイスもありホーンの角度をやや外振りに修正しています。僅かな修正ですがやや音の広がり、立体感が増したようにも思います。スピーカーのセッティングは重要ですのでいろいろと試してみる価値大有りです。プリアンプは前回も好評でしたオリジナル機(仮称ART-PRE WAVE1、6J5ドライブ27, WEチョーク、整流管3B24×2本構成)が続投。ソースには前述のものに加え、お客様ご持参の高橋悠治のサティのピアノ曲集、矢沢栄吉の最新版、その他はクライバー指揮ベートーベン7番、ジャズではアートブレイキーとジャズメッセンジャーズの危険な関係のブルース、スティングのボーカル、YESのTALKなどから聴きました。どのジャンルでもその音楽の良さや意図が色濃く(音色濃く?)再現され皆様にも大変好評でした。いつもですがセンター試聴コーナーでも良いと思われてもメイン試聴室では奥行き感など音の広がり、響きが変わり微細な変化もダイナミックに再生されるので音楽として聴いている部分が自然に移り違った音楽の様に聴こえます。これが音楽の深い所で、YESの様な電子楽器が主体であっても音色の変化やエコーの懸け方、残響音の処理、音の重ね方などの機微が再現されます。アコースティック音源ならなおさらです。お客様ご持参の音源もここで聴くと印象が変わるので驚かれます。冗談半分と思いますが「これは自宅では無理だから時々ここに聴きにくれば良いや」と言われます。試聴室は真空管アンプでの音楽の楽しみの一部を伝える目的ですので、ご自身の音楽を楽しむ感性と情熱、審美眼(審音耳?)でご満足がいくシステムをご自宅で構築されることが一番だと思います。それぞれに心地よいと感じる音楽は違いますしご自宅の環境によっても変わります。大切な音楽鑑賞のご趣味をカタログや雑誌の評論家のコメントを頼りに集めていたのでは収拾つかず音楽の森に迷いこんでしまうかもしれません。ご自身の感性を大切に。試聴中の写真を撮り忘れましたので、そして誰もいなくなった祭りの後の状態の写真ですが掲載しておきます。
次回は本年最後になりますが12月14日(土)13:00~15:30の予定で、YARLANDの845/211シングルのコンパチアンプなどを聴いて頂く予定です。皆様のお越しをおまちしております。